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当社では広域の地図データを用いてモデル化しますので、周辺領域の隅々まですべての実際の建物を正確に反映させることが可能です。この、地図のデータは、いわゆる地理情報システム(GIS:Geographic Information System)であり、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を加工して分析を可能にする技術を応用しています。
地図のデータはゼンリンの住宅地図と同じ建物位置関係のデータと建物階数のデータです。当社ではこの地図データについて、日本全国の地図を保有しております。このため、コンピューターシミュレーションでは、解析領域の末端まで、実際の街の建物データを入力して、実際の街とそっくりな風が検証できるのです。
下の図は東京都内のある地域の地図ですが、同じ場所の建物データはその下の図のようになります。国土地理院の地図の上に当社が持っているデータで建物として並べてみました。この図からぴったり一致していることがご理解いただけるかと思います。
図−1 国土地理院地図(東京都内)
図−2 当社のコンピュータ・シミュレーションで地図データに建物データを加えた場合
一方、一般的な他社の解析例では、下図のように均一形状の立方体の建物を等間隔に配置して簡易的にモデル化されている場合がほとんどです。このように周辺領域の建物を、実際の建物とは異なる形で簡易にモデル化してしまうと、現実の風と差が出てきてしまう危険性が予想されます。一般的なコンピューター解析の事務所では、GISを応用する技術を持たないため、このような簡易なモデルで対応せざるをえないのです。この結果、周辺からの流入風速の誤差が大きくなり、目的とする建物の評価精度が低下してしまうという弱点があります。このようなことがないように、コンピュータ・シミュレーションのモデルの端部まで、すべて実際の建物となるように、当社では計算領域内をくまなく地図データで建物を作成するようにしています。
図−3 一般的なモデル例1 図−4 一般的なモデル例2
(図−3、4は「ビル風の基礎知識」P50,P158より)
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