ビル風の対策

1. 植栽による防風対策

建物に防風植栽を設置して、防風効果を確認しました。

15階建ての建物の片側に植栽を設置した場合です。下図の配置で植栽による風速低減効果を確認しました。

 

すると、植栽を設置した場合のビル風は下の図のように、無対策の場合に比べて、植栽のところで風速(黄緑の範囲)が低減しています。

 

防風効果 植栽設置前後の風速の比を取ると下図のように、植栽の下流側で風速が1〜2割低減しています。(図中、白い円内) このように、植栽を設置した場所の風下側で防風効果が表れています。
 なおこの計算で使用している植栽のモデルは、樹木の葉による抵抗を実際の立体形状の樹木に近くなるように模擬しています。詳しくはこちらの研究内容などを参考として計算式が作られています。

2. フェンスによる防風効果

15階建の建物の右側にフェンスを設置した場合の防風効果を確認しました。下図は計算のモデルです。図中、奥が風上、手前が風下です。

建物の右側で風速が低減し、黄緑の風速増加域が小さくなっています。

フェンスの下流側で防風効果が大きくなっています。

フェンスの設置後/フェンスの設置前の比で見ると、フェンスの風下側で風速低減効果が見られます。

フェンスの実施例

 下左写真は、鉄道駅に設けられたフェンスの例です。この駅には、黄色で示した部分に線路の脇に平行にメッシュフェンスが設置されており、右方向からホームに向かう強風を防いでいます。

 この駅の向かって右側には下右写真の超高層ビルがありそこから発生したビル風が駅に向かって吹いているので、このような防風対策が必要になったということです。

HMTC.jpg (300×301) SBCB.jpg (300×297)

 フェンスの材質は近くで見ると、ほとんど向こう側を見通せない位に鉄線が縦横に織られた密度の高いものとなっています。

フェエンスの実施例2

建物からの風が道路に吹き出すのを防いでいます。
hro1_500.jpg (500×375)

hro3_250.jpg (250×372) hro4_250.jpg (245×323) 

3. 建物の隅切り

 建物の角をくぼませる(隅切り)ことにより、角近傍の風速を低減できます。下の図は、建物右側の角を隅切りしたものです。図の右上が風上になっています。

建物を隅切りするとその近傍での風速が低減します。下の図の左の角には風速1.2以上の黄色、風速1.3以上の赤の範囲があります。一方、隅切りした建物の右側の角には黄色の範囲は存在せず、風速が1.2以下となっています。

念のために、隅切り対策の前後での風速比を確認しますと、下の図のように建物右側の角に0.9〜0.8の範囲が表れており、角の近傍での風速を低減していることがわかります。

※建物右側に赤い範囲がありますが、この場所は弱風域に相当しており、隅切りによって、風が遮られていた場所にも風が流れていることがうかがえます。

4. セットバック

 建物の上層階が階段状にセットバックした場合です。

風速増加域(黄色、黄緑の範囲)は建物右側で小さくなっています。

 対策前後の比を取りますと、建物右側の白い円内で風速が低下していることがうかがえます。一方、建物右側角のすぐ風下側(赤色範囲)では風速が増加しており、建物にで遮られていた風がセットバックによって風速が回復していることがうかがえます。

5. 低層部を設ける(墓石型)

 高層建物の低層部に、平面的に張り出した低層建物を付加することで周辺の風速を低減できます。

 低層部があると風速分布は下の図のように、広い範囲に穏やかな風速増加域ができます。

 この結果、下図のように風速の前後比を取りますと、建物の側方(黄緑、青の範囲)で風速が低減しています。

6. 中空層を設ける

 建物中間部に中空層を設けることによって、地上付近の風速を低減できます。

中空層による防風効果は、穏やかなものです。無対策の場合に見られた風速1.2の範囲は消えています。

下の図は無対策の場合との風速を比較したものです。風速増加域であった建物側方から後方にかけて風速が低減(図中黄緑の範囲)しています。

参考ケース 防風対策をしない場合の風

 建物高さ45mの無対策のモデルケースです。前記の防風対策の効果を確認するためのもとになっています。

風速はすべて同じ高さの風速を1とする比で表しています。

無対策では建物の両側に最大1.2を超える風速増加域が表れています。

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