中心部を詳細メッシュで計算しますので、細かい建築空間まで丁寧にモデル化出来ます。

 コンピューター・シミュレーションで風の流れを模擬する場合、計算する空間を多数の格子で要素に分割し、要素ごとに隣の要素との空気の流入・流出のやり取りを計算しなければなりません。複数の建物が建ち並ぶ都市空間を対象とした場合、計算の精度や安定性、計算効率を考えて効率の良い計算格子を生成することが重要です。

 一般的には構造格子と呼ばれる、下の図−1のように、格子点が規則的に並んだ単純な格子で分割しています。格子点がすべて直交していることから、直行格子とも呼ばれます。直行格子では中心の建物に格子を集中させると建物から離れた領域でアスペクト比(縦横の比)が大きい格子が作られて無駄な格子を配置することになります。また格子線に対して、斜めの建物の場合、建物形状は階段状になってしまいます。

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図−1 構造格子

 一方、当社が行うコンピュータシミュレーションでは、重合格子と呼ばれる格子を用いて計算します。この重合格子とは図ー2に示すように複数の直交格子を重ね合わせて、必要な部分のみ格子の分割を細くする手法です。 「重合格子は計算量をそれほど増加させることなく計算精度の向上を図ることができるので、建物周辺気流のような実用問題では必要性の高い手法である。」と言われています。出典:「市街地風環境予測のための流体数値解析ガイドブック」P 27

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図−2 重合格子

 

 当社が行うコンピュータシミュレーションでは、この重合格子を用いて、中心となるエリアを正確に計算し、同時に周辺エリアはスピーディーに計算するという解析を行っています。実際の都市のビル風についての3次元流体解析では、水平方向が1〜2km、高さ500m〜1kmという巨大なものとなり、この広大なエリアを計算するには粗い間隔でのメッシュ配置とせざるを得ません。一方、風の流れについて知りたいエリアは建物周辺の50〜100mの範囲、かつ地上付近の1.5m付近となっており、この範囲を出来るだけ細かく計算しなければなりません。この2つの相反する要求を満たすには、メッシュを細かく要素数を多くして、多くの計算量をこなすしかありません。しかし、現在コンピューターで出来る限界は100万〜1000万程度となっており、実際には周辺領域を5〜10mと粗くして、中心領域を2.5〜1mのメッシュと細かくして計算しております。こうした合理的な計算格子の配置が出来るのが重合格子なのです。

 下の図は東京都内のある地域のコンピューターシュミレーションのメッシュ分割の事例です。当社が行う解析では、3段階の重合格子を用いますので、まず最初の段階、第一格子では1,500メートル四方を12メートル間隔でメッシュを切ります。この領域では大規模な事務所や地形の変化など、大きな寸法の物体が定義されます。

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 第二格子では、200×300mの領域で5m間隔でメッシュ切します。第二格子によって、近隣住宅や小規模な事務所ビルなどの建物から定義されます。

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 そして下の図に示す第三格子では、120×140mの範囲で1m間隔でメッシュ切しています。これによって、建物周辺のビル風の影響を詳細に見ることが可能です。

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