最も信頼できるモデル、ケー・イプシロン(k-ε)2方程式モデルを当社は使用しています。

 この粘性項(拡散項)を解く方法として、次の3つの方法が存在し、当社ではその最も信頼できるケー・イプシロン(k-ε)2方程式モデルを採用しています。

  • 0方程式モデル(混合長モデル)
  • 1方程式モデル
  • ケー・イプシロン(k-ε)2方程式モデル

0方程式モデル


 粘性を定数として解く最もシンプルな方法であり、静止した空気と流れのある空気の間では一定の距離の範囲内で空気が混合して渦が生じるという考え方のモデルです。静止した空気とは早く言うと壁面とも例えられますので、壁面と流れの中心との関係だけであって、その風上からの風の影響は含まれていません。いわば、障害物を設けた箱の中に、粘性の非常に大きい葛湯みたいな液体を流し込んで押し出すような流れにたとえることができます。大まかな流れの向きは確認できますが、疑似的な流れの表現にすぎません

 

 


 1方程式モデル


 やや進化した方法で、渦の大きさをとらえるのに、乱流エネルギーを用います。そして、乱流エネルギーが渦の流れとして、下流に流れて行って混合する様子を計算するというものですが、計算を単純化するため混合する長さを経験的に定数としています

 0方程式モデルも1方程式モデルも、ともに計算量が少なく、10〜20年前のコンピューター計算が遅かった時期に用いられました。考え方としては流体の粘性を高めて大きな渦が発生しないようにして解く、感覚的にはシャンプー液やサラダオイル、葛湯などの流れにたとえることができます。大まかな流れの向きは確認できますが、これらの計算式では勢いよく吹き出した風がその先の物にぶつかる(慣性力)とか、建物の角から風が勢いよく吹き出す現象(剥離)に対して、一方その脇では逆流している(逆流)などの現象はよく確認できません。疑似的な流れの表現にすぎないため、精度が悪いので今ではお勧めできるものではありません。(ただし一部の調査機関では価格が安いことや、流体計算の精度に詳しくないという制約から採用してしまっている機関がありますのでご注意願います。)


ケー・イプシロン(k-ε)2方程式モデル


 数値流体力学に利用される乱流モデルのなかで,設計などの工学的利用に最もよく使われています。この考え方を簡単に説明すると、乱流によって発生する応力、すなわち止まっている流体と動いている流体の間に発生する力を、速度勾配(2点間で速度が変化する割合)に比例すると仮定しています。このときの、いわば摩擦係数に相当する比例係数を渦粘性係数と呼んでおり、k-εとはこうした乱れの運動エネルギー kとその散逸率εによって渦粘性を表現する計算式といえます。すなわち、建物に風が当たるとそのすぐ風下側には大きな渦が発生し、この渦が風下に流れていくにしたがって、小さな渦に分散して、やがて消散していくという現象です。現象的に理解しやすいモデルですし、大きな渦で発生するエネルギー(乱流エネルギー)と、そのエネルギーが渦によって消散する現象は実験でも確認されています。そして kとεの輸送方程式は、最初にご説明したナビエ・ストークスの運動方程式と連立して解かれます。

 以上のことから、流れの渦の粘性を解くのに、乱流エネルギーエネルギーの消散率を連立させて解く、k-ε2方程式モデルが、今日最も信頼性の高いモデルとして使用されており、その方式を採用した当社のビル風予測解析業務は、ビル風予測という実用上の計算において十分信頼性を置いてもらえるものと自負しております。

▲このページのトップに戻る