3. 建物に風が近づくと、その手前で風は速度を緩めて向きを変える
風の流路に当たる部分に建物が出来ますと、建物正面に当たる風は通り抜けられないため、風は建物の手前で左右、上向きに向きを変えます。下の図の水色の線が「風の流れ」を表しています。
このとき、建物の風上側の面では風がよどんで風速を落とすと共に、空気の圧力が少しだけ高くなっています。実はこの圧力がこの後ビル風発生の大きな役割を果たしています。一度蓄えられた空気の圧力のエネルギーは、建物の角を通り過ぎた後にエネルギーが発散されるのです。

この圧力エネルギーと速度エネルギーの関係は、いつも和が一定になるようになっていて、ベルヌーイの定理と呼ばれる流体に関する重要な法則となっています。
ベルヌーイの定理: 圧力エネルギー+速度エネルギー=一定