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Q1 建物の高さごとに、どのくらいのビル風が発生するかわかりますか?

ビル風は建物規模(高さ、見つけ面積)に応じて発生します。ビル風の状況は建物の形状、配置や周辺の状況によって異なりますが、基本ケースとして市街地に建設される単純形状の建物の場合について、コンピューターシミュレーション結果を本ホームページに掲載しております。まずは概略の影響範囲をこちらでご確認ください。このページでは建物の高さ、幅、奥行き毎にビル風の範囲を風速コンター・ベクトル図で表してみました。掲載した表の建物形状図をクリックすると、16風向のビル風が動画で見られます。

ビル風を懸念される近隣住民様がいらっしゃる場合、どの程度の調査を予定しておけばよいでしょうか。近隣住民様に対して事業主様としては、最低限風による損害を与えないような配慮が必要です。そこで大事なことは、

  • 周辺に風の影響を受けやすいものがあるか
  • 建物からのビル風が上記に対して影響を及ぼすか否か

この二点です。そして、周辺に風の影響を受けやすいものとしては次のようなものがあります。

(1)周辺の家屋や事物などに及ぼす影響
1)庇や軒などの変形、破損(テントや日よけは特に影響受けやすい)
2)家屋の揺れや窓などばたつき、風音
3)カンバン、自転車、植木(鉢植え)の転倒
4)洗濯物、屋外の置物の飛散
5)飛来物による二次的被害
7)ドアの開閉の困難
8)オープン店舗(花屋、カフェなど)の営業ができなくなる
 
(2)歩行者など人体に及ぼす影響
1)衣服や髪の乱れ
2)歩行困難
3)カサの破損
4)突風による転倒
5)風による冷寒感
6)飛来物によるケガ
7)埃が目に入る

Q2 ビル風による風害は風速何メートルで発生しますか?

風害としてよく言われる瓦の飛散は20〜30m/sですが、ビル風の影響はそれよりずっと小さい風速で発生する場合があります。そして、以前は高層建築物周辺に発生する強風による障害と考えられていました。しかし、昨今は比較的低層の建物でもビル風の問題を懸念される住民の方々も増えてきています。このためビル風に対して感受性が高まっていることから、小さな風速でもビル風を申告される可能性があります。

風による建物、人に対する影響は下の表のようになっています。

平均風速m/s

前後

風害現象 備考
5 手すりやポールの風切音が出る  
10〜15

傘が壊れる

東京で年に1回

20

ガレージシャッターが壊れる
歩行者が転倒する
ドアが開閉困難
 
25

瓦の飛散飛散物によるカラスの破損

 
30 ブロック塀、金網フェンスの倒壊
鉄板屋根の飛散
木造家屋の倒壊が始まる
墓石の転倒
 
35 風圧によるガラスの破損 東京で50年に1回
40 超高層ビルで窓ガラスや外装材が破損する木造家屋の倒壊率2% 東京で100年に1回
50 木造家屋の倒壊率10% 東京で3000年に1回

強風による歩行障害の評価指標

風速 m/s  
5以下 ほぼ正常に歩行できる
女性は髪・スカートが多少乱れる
5〜10 歩調が少々乱れる
髪・スカートが乱れる
10〜15 歩行は乱される
意思通りの歩行は困難
上体は傾く
15〜20 意思通りの歩行は不可能
風に飛ばされそうになる

こうした強風による障害は、瞬間風速との関連性が高い。建物周辺で実際に生じたビル風に対する周辺住民へのアンケート調査より、下図のように日単位の風環境の評価・印象がまとめられています。

 

日単位の最大風速の評価・印象

瞬間風速と風害現象

日本風工学会・風災害研究会が作成した、「瞬間風速と人や町の様子との関係」では、強風を「やや強い風、強い風、非常に強い風、猛烈な風」の4つに分類しています。この中から、人と建物に関する指標を抜粋してまとめました。10m/s、20m/s, 30m/s, 40m/s, 50m/s, 60m/s以上ごとに次のようになります。

瞬間風速10m/s (やや強い風)の風害現象

  • 風に向かって歩きにくくなる。
  • 傘がさせない。
  • 看板やトタン板がばたつき始める
  • アンテナが揺れる。
  • 樋が揺れ始める。

瞬間風速20m/s (やや強い風)の風害現象

  • 風に向かって歩けない。
  • 転倒する人も出る。
  • 高所での作業はきわめて危険。
  • 看板やトタン板が外れ始める。
  • 屋根瓦・屋根葺材がはがれ始める。
  • 雨戸やシャッターが揺れる。

瞬間風速30m/s (強い風)の風害現象

  • 何かにつかまっていないと立っていられない。
  • 看板が落下・飛散する。
  • 屋根瓦・屋根葺材が飛散し始める。
  • 外装材がはがれ始める。自転車置き場などのひさしが変形する。
  • 固定されていないプレハブ小屋が移動、転倒する。
  • パイプハウスのフィルム(被覆材)が広範囲に破れる。

瞬間風速40m/s (非常に強い風)の風害現象

  • 屋外での行動は危険。
  • 看板が飛散する。道路標識が傾く。
  • 屋根瓦・屋根葺材が広範囲にわたって飛散し始める。
  • 外装材が飛散し、下地が露出し始める。カーポートなどの屋根が変形する。
  • 固定の不十分な金属屋根の葺き材がめくれる。
  • 養生していない仮設足場が崩落する。
  • 脆弱なパイプハウスでは骨組みが曲がり始める。

瞬間風速50m/s (非常に強い風)の風害現象

  • 屋外での行動は危険。
  • 電話ボックスや自動販売機が倒れたり、移動したりする。
  • 電柱や街灯が倒れる。 ブロック壁が倒壊する。
  • 屋根瓦・葺材および野地板・下地板が飛散し、小屋組が露出する。
  • 外装材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出し始める。老朽化した木造住宅が倒壊する。
  • 木造小屋の屋根が骨組みごと飛散し始める。金属屋根の葺き材が広い範囲で剥がれる。
  • 固定していない雨戸や窓シャッターが外れはじめる。
  • 堅牢な作りのパイプハウスが倒壊し始める。

瞬間風速60m/s 以上 (猛烈な風)の風害現象

  • 屋外での行動は危険。
  • 電話ボックスや自動販売機が倒れたり、移動したりする。
  • 電柱や街灯が倒れる。
  • ブロック壁が倒壊する。
  • 木造住宅の倒壊が始まる。
  • 鉄骨構造物が変形する。

Q3 近くに15階建ての建物が建設されてから風が強くなったのですが、何か対策はありませんか?

まず、「風が強くなった」と申告されているのは、特定の建物による影響でしょうか。風害の現象を申告される際に、次の3点を確認されることをお勧めします。

 

  1. 風洞実験かコンピューターシミュレーションで周辺の風の流れを確認する。
  2. 気象データを確認する
  3. ビル風を申告された住戸での風速を測定する​

 

そして、これらを照合することにより、風向と風速からほぼ原因となる建物を特定することが可能です。

上記3の風速の実測が建物の建設前後で行えれば、建物による影響はさらに確かなものとなります。
次に、ビル風が到来する経路に防風対策をすることで風速を低減することを検討します。
ビル風は、一般的には植栽、防風ネット、防風板などで遮ることが可能です。

Q4 20階以下の建物を設計するにあたり、ビル風低減の対策として何がありますか?

設計の初期段階であれば数々の対策手法がご提案可能です。

  • 建物の形状はできるだけ低層とし、主風向に対して横長にしない。
  • 建物の間に縮流ができないようにする。
  • 建物の平面形状は四角形ではなく円形や多角形にする。
  • 建物低層部の平面形状を大きくして建物全体を墓石型とする。
  • 中間階にボイド(柱だけで壁のない空間)を設ける。
  • 建物周辺に空地を設ける。

そして、なおビル風が問題となる場合は、次の手法で防風対策を行います。

  1. 防風植栽
  2. フェンス
  3. ひさし
    たとえば高さ3メートル、開口率50%のフェンスを設置し、
    高さ1.5メートルで風速を測るとします。
    この場合、フェンスの風下側に約40メートルの範囲までの風速を、元の風速(フェンスがないときの風速)に比べて50%低減できます。

Q5 ビル風の影響範囲はどれ位ですか?

建物の大きさごとに風速分布を表してみました。市街地に建設される単純形状の建物の場合について、コンピューターシミュレーション結果を本ホームページに掲載しております。まずは概略の影響範囲をこちらでご確認ください。

たとえば幅、奥行がともに15mで10階建ての建物の場合

建物がある場合の風速÷建物がない場合の風速 で比較すると、正面から風が吹く場合に、1.2倍以上となる場所がわずかに発生しています。

風が建物に対して45度の角度から吹く場合は、風速が1.5倍になる場所も発生しています。

Q6 今建っている建物でビル風が起きているかどうか分かりますか?

 

ビル風は物理現象ですから当然発生していると考えられます。
問題は、そのビル風が地域の卓越風によるものか否かです。卓越風によるものですと、年間を通しての頻度が高いために風環境評価、すなわち風環境が悪い結果となります。卓越風でなければ大きな問題に発展しない場合もあり得ます。
東京の卓越風は北北西と南西であり、それぞれ冬と夏の卓越風です。各地域の風がどのような風向から吹いてくるかは主要都市の風配図を参照されるとよいでしょう。
そして、ビル風の判定で大事なことは、上空の風向が(東京の場合)北北西または南西の時に、そのビル風は街路のどこからどこに吹いているかということです。建物の周辺では建物と平行に風が吹くことが多いので、上空の風の風向を推し量ることは困難です。その日の気象台の風向風速と対照しながら現地の風をとらえる必要があります。
しかし、ビル風の強さ、頻度によっては問題とは言えない場合もあり得ます。大事なことは、それが許容できるかどうかということです。その判断根拠の一つとされているのが風環境評価尺度による評価です。
したがってビル風の判定とは次のような手順となります。

  1. 風洞実験かコンピューターシミュレーションで周辺の風の流れを確認する。
  2. 気象データを確認する
  3. ビル風を申告された住戸での風速を測定する

そして、これらを照合することにより、風向と風速からほぼ原因となる建物を特定することが可能です。この3の風速の実測が建物の建設前後で行えれば、建物による影響はさらに確かなものとなります。

Q7 ビル風の検討費用はどれ位かかりますか?

弊社の場合、計画建物が10階建て以下で、周辺の建物が3階以下であれば、簡易予測で調査が可能です。この場合ですと30万円からです。

上記の範囲を超えますと、コンピューターシミュレーションによる調査となり、最低50万円から受け付けております。計画建物が15階建て以下で建物形状がセットバックがなく単純な矩形の場合に限ります。

費用は物件の形状、規模、敷地の高低差、周辺建物の状況、解析内容などによって異なります。なお、シミュレーションは風洞実験より安価で短納期です。

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