総合設計制度とは
総合設計制度とは、建築基準法第59条の2の規定に基づき、一定規模以上の敷地面積を有し、かつ一定割合以上の敷地内空地(公開空地等)を確保する建築計画で、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ総合的配慮がなされていることにより市街地における環境の整備改善に資すると特定行政庁(神戸市長)が認めたものについて、建築審査会の同意を得て、容積率制限及び道路斜線・隣地斜線制限を許可により緩和する制度です。
敷地内に一定割合以上の空地を確保する建築計画について、市街地の環境改善に資すると 認められる場合に、容積率等の制限を緩和されることになっています。高さは何階建てまで可能かということについては、土地条件によって最高50階程度という研究事例も報告されています。
「郊外型タワーマンションの建設条件に関する研究」、森谷菜央、中井検裕 >
一方、建物の高層化による風害問題が予想されるため、建物の計画時点でコンピューターシミュレーションや風洞実験による検討を行い、周辺地域に著しい風環境の変化を生じさせると予想される場合は、対策を講じることが求められています。
そして、風洞実験を行った場合、建物完成後に風向風速を観測して、風環境が確保されていることを確認することが義務付けられています。
風害(ビル風)調査は、商業地域では計画建築物の高さが100m以上の場合、商業地域以外の用途地域では計画建築物の高さが60m以上の場合にその地域に対応した風害(ビル風) の調査が必要になります。東京都総合設計制度では、「風洞実験を行うとともに、原則として風向・風速計を設置し、建設前・後の観測を行うこと」となっています。