4. 風が建物の風上側の角を通り過ぎた後は速度を増す。
風は建物の風上側で一度速度をゆるめ、やや向きを変えて、建物の前面の角を通り過ぎます。このとき建物正面から脇によけた風①と、まっすぐに吹いてきた風②とが合わさって風速が増します。こうして建物の側面に強風が発生します。これがビル風の正体です。
この現象については、前述の風の圧力エネルギーを元に別な説明も出来ます。建物の風上側で一度蓄えられた空気の圧力のエネルギーは、建物の角を通り過ぎた後にエネルギーが発散されて速度のエネルギーに変換され、風をジェット噴射のように加速します。こうして建物の側面には風速の早い場所が出来ます。これがビル風です。
ビル風は更に風下に流れていくと、風のエネルギーは渦となって消耗され、やがてビル風は消えていきます。
