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風は普段は水平に吹いていますが、建物に当たると、建物高さの6〜7割のあたりで上下左右に分かれます。その1つが下方向に向かって、建物の風上側の壁面に沿って上から下に向って流れる風となります。これがいわゆる吹き降ろし風です。吹き降ろしの現象は建物が高層であるほど顕著です。
下の図-3では、左から吹いてきた風が黒い高層建物(20階建て相当)にぶつかり、建物風上側の前面(図中建物の左側)に吹き下ろしの風を作る様子を鉛直断面図で表しています。図をクリックすると拡大動画で白いベクトルが見られます。
この吹き下ろし風は、実はあまり風速としては大きくはなく、地面に到達すると逆流となって風上方向に吹いていきます。(逆流についてはこの後「逆流」の項でご説明します)そして建物側方では下向き成分はごく小さく、ほとんど水平に近い流れとなっています。
ここで整理しておきますと、一般に吹き降ろしの風がビル風の原因と考えられていますが、実際の流れの現象はやや異なるということです。
ビル風の実態が、「吹き下ろし」や鉛直方向下向きではないことを図-4に示すベクトル図で、風速増加域の風速コンターを観察して、確認してみましょう。下の図は高層建物に左から風が吹きつけた場合の水平面の風速コンターです。クリックすると風速増加域に接近して拡大しながら、かつ地上0.5mから12mまでの水平断面の風速・ベクトルをスキャンしながら動画でご覧になれます。風の向きは各点の白いベクトルで見られます。ベクトル自体は、x,y,zのすべての風速成分を反映した3次元での表示となっています。
ビル風が最も早い、すなわち風害が発生しやすいのは建物の風上側の角を過ぎたあたりです。この風速増加域のベクトルは、風速は大きい(ベクトルは長い)ものの、向きはごく緩やかな下向きのベクトルとなっているにすぎず、パッと見た感じはほとんど水平に近い感じです。いわゆる歩行者の頭上から地上に吹き付けてくる「吹き下ろし」の印象とは異なります。このように、ビル風の正体はほとんど水平に近い風であり、よって対策も鉛直方向の面で構成されたフェンスなどが主体となります。
次に、図-5では、前述の建物風上側前面に近い、建物から少し離れた鉛直断面のコンターを表しています。コンターに表示しているのは風速とベクトルです。風に正対した建物の前面では、風が建物によってせき止められて青色の低風速域となっています。この部分では空気の圧力が少しだけ高くなっています。これは、風の速度エネルギーが建物によって止められて、その結果、速度エネルギーが圧力エネルギーに変換されて高圧帯となったためです。(ベルヌーイの定理と言います)このわずかに高い圧力の空気が建物の角から吹き出すとき、今度は圧力エネルギーから速度エネルギーに変換されます。これが前述の剥離流の実態です。
図-5の動画では、同一断面を視点の向きを変えて見ています。このコンター図からは、建物の風上側前面にできた風の低速域(淀み)から、建物の側方と地面、軒の4方向に向かって風が広がっていき、そして建物の両側の角を過ぎたあたりで赤や黄色の風速増加域を形成している様子が確認できます。このうちいわゆる「ビル風」として感知されるのは、地上付近のベクトルだけですが、その向きは風速の大きい赤いコンターの部分では、ほとんど水平に近い向きとなっています。
以上のことから、ビル風の原因は建物に到来する風が建物風上側前面に作る高圧帯が原因となり、そこで蓄えられたエネルギーが建物角から放出されるときに「ビル風」となるということです。この高圧帯の周囲から風が吹きだした、地上付近の一部の風が剥離流を形成して「ビル風」と認知されます。
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